アリ飼いのためのアリ知識ノート

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●アリの種類

4.4d.フタフシアリ亜科-d 

42001 アミメアリ 

和 名 ・ 学 名 亜科・属 (亜属)
42001 アミメアリ Pristomyrmex pungens フタフシアリ亜科
アミメアリ属
カースト(大きさ) 生息環境 結婚飛行/多雌性
働きアリ(2.5mm) 定住する巣を作らず,石下や倒木に野営の巣をつくり,頻繁に移住しつつ生活する。[DB] なし
アミメアリ
アミメアリ

©土生

アミメアリ アミメアリ
アミメアリ

©青の TASKA

アミメアリ
網目が胸から頭全体にくっきりと見える

©青の TASKA

特記事項

本種は雌アリ (女王) をもたず,働きアリが産卵して働きアリを生産することで巣が維持される。
また働きアリは巣中に留まって産卵する個体と,巣外に出て働き,産卵しない個体が存在し,巣中に留まる個体はやがて巣外に出て働くようになる。
まれに,頭部がやや大型で単眼を持つ個体 (職型雌) を多く含んだコロニーが見られる。
雄アリは初夏に見られるが稀である。
大きなコロニーは数万から数十万の働きアリからなり,定住する巣を作らず,石下や倒木に野営の巣をつくり,頻繁に移住しつつ生活する。そのためにしばしば道路脇などに本種の長いアリ道が見られる。
東南アジアに広く分布し,日本ではごく普通に見られるが,それ以外の地域ではさほど多くない。[DB]

コメント

■アミメを飼ってます、、 体長3o弱、、 放浪型の種なので、ほとんど巣穴を掘りません、、
比較的に動きが遅くおとなしい性質のアリです、、
女王が存在せず、若いメスがそれぞれ産卵します、、
サルスベリ等の樹上で採取するのが簡単、安全です、、
アリの中ではカビの発生が多い種なので、その点さえ注意すれば繁殖も容易でしょう、、
現在、11匹のコロニー(3匹は、採取後に成長、羽化したもの)で、卵と幼虫数匹を飼育中、、
餌は、昆虫用の黒糖ゼリーや蚊等の小型で柔らかい羽虫を喜びます、、

> 放浪型、とのことですが、飼育スペースが特に広くないとダメとか、
> そういうことはありますか?

> サルスベリ等の樹上で採取するのが、「安全」とありましたが、
> その他の場所での採取では、アリを傷つけがち、ということでしょうか?
> すばしっこい?

特に広いスペースを必要とする訳ではありませんが、食べかす等の処理が下手でちらかしてしまいます。
その度に、綺麗な場所に移動しますから、細かい部屋を余分に用意し、自由に往来できるようにして、汚れた場所をマメに掃除する必要があります。
湿らせたメラミンフォーム等で充分な湿度を保つ必要もあります。

動作は遅めです。
ただ、カビが発生しやすいのと、身体が柔らかく潰れ易いので、土などによる汚染を避けて、木の幹から刷毛やティッシュなどで容器に振り落とした方が安全という事です。
頻繁に棲家を変えるため、卵や幼虫をくわえた群れに遭遇する機会が多く、数匹捕まえればコロニーを作れますから、繁殖させやすいとも言えます。

アミメアリは、常にお尻を下に折り曲げている。
名前の由来である網目が胸から頭全体にくっきりと見える。

◆青の TASKA

■アミメを吸ってきて、いざ飼育容器に入れる段ではどうしても汚れも混入してしまってこれがアミメ飼育には難物なのですが、あらかじめ2つの容器をジョイントさせておいて、汚れてもいい方の容器にまとめて投入すれば、環境のよい綺麗な容器の方へと移動すると思います。
なのでわざと餌をバラ撒いて早期にカビを発生させるなど凶悪な手段もあるかもしれません。
ショウジョウバエに興味を示しますが食い残しが多く、そのくせ貯蔵してカビやすいので注意する必要があります。
手っ取り早く腹を膨らませるならメイプルですが、小型なので溺死もあります。薄めに塗布した方が良いでしょう。

湿ったメラミン周辺の狭い空間が好きなようです。餌環境と住環境が整うと、なんとなく機が熟したら産卵をする、というのが今までのパターンでした。

アントクアリウムで飼育すると悲しいことになるのでやってはいけません。

◆蟲

■あまり多湿な場所は好まないが、乾燥している場所にも少ない
温度も高いところではなく、日陰に野営することが多い

◆土生

42103 テラニシシリアゲアリ 

和 名 ・ 学 名 亜科・属 (亜属)
42103 テラニシシリアゲアリ Crematogaster teranishii フタフシアリ亜科
シリアゲアリ属
シリアゲアリ亜属
カースト(大きさ) 生息環境 結婚飛行/多雌性
女王アリ(6mm)
雄アリ(2.5mm)
働きアリ(2〜4mm)
樹上性で,枯枝や枯竹茎中に営巣する。[DB]
テラニシシリアゲアリの女王と幼虫
テラニシシリアゲアリの女王と幼虫

©おおのやすよ

テラニシシリアゲアリの女王と幼虫

©おおのやすよ

テラニシシリアゲアリの女王と裸蛹・幼虫
テラニシシリアゲアリの女王と裸蛹・幼虫

©おおのやすよ

テラニシシリアゲアリ雄と働きアリ
テラニシシリアゲアリ雄と働きアリ

©おおのやすよ

テラニシシリアゲアリ雄と働きアリ

©おおのやすよ

特記事項

ハリブトシリアゲアリに似るが、働きアリ、女王アリとも、前伸腹節刺の形状によって区別できる。
とがっていればテラニシシリアゲアリ。太く短いものはハリブトシリアゲアリ。

コメント

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42106 キイロシリアゲアリ 

和 名 ・ 学 名 亜科・属 (亜属)
42106 キイロシリアゲアリ Crematogaster osakensis フタフシアリ亜科
シリアゲアリ属
キイロシリアゲアリ亜属
カースト(大きさ) 生息環境 結婚飛行/多雌性
女王アリ(7mm)
働きアリ(2〜3mm強)
草原や林内の石下や土中に営巣する。[DB] 9月(夕方)
多雌
キイロシリアゲアリ有翅雌(腹面から) キイロシリアゲアリ脱翅雌と有翅雌
キイロシリアゲアリ有翅雌(腹面から)

©ウィンドノット

キイロシリアゲアリ脱翅雌と有翅雌

©ウィンドノット

一緒に写ってるオスアリはおそらくキイロシリアゲアリだと思います。
ただ自販機にはフタフシアリ亜科のオスアリが色彩は同じながら大小2種集まっていて100%の確信が持てません。
キイロシリアゲアリ脱翅雌
キイロシリアゲアリ脱翅雌

©おおのやすよ

特記事項

羽アリは9月の夕方に飛出し,灯火に集まる。[DB]

コロニー創設は多雌のほうが成功する確率が高い(単雌では難しい?)といわれる。

コメント

■(上に掲げた写真)撮影日時と場所 2005年8月31日 三重県
19時半頃、自販機に集まって来たのを捕獲しました。
同時期に色の良く似たアズマオオズアリも飛行しますが、キイロシリアゲアリの女王は腹部がハート型で尾端がとがっている事で見分けがつきます。
女王の体長約7ミリ
尾端に針が見える。但しこの針は刺すためのものではなく、攻撃を受けたときに毒液(下記参照)を放出するために使われる。

毒に関して : ヤマアリ亜科の噴出する液は酸であることは確認されていますが、ハリアリ亜科やフタフシアリ亜科の毒針から出る液は酸ではなくハチ毒に似たアルカリでは中和出来ない酸とは違う毒だと想像しています。
キバハリアリやヒアリなど強烈に作用する毒もあるので、アリ毒を分析したサイトが有るのではと思うのですがまだ行き当たっておりません。
データベースの「科学的防御物質」と言う表記も蟻酸とは違う毒性を表しているのだと思います。

◆ウィンドノット

42201 ウロコアリ 

和 名 ・ 学 名 亜科・属 (亜属)
42201 ウロコアリ Strumigenys lewisi フタフシアリ亜科
ウロコアリ属
カースト(大きさ) 生息環境 結婚飛行/多雌性
女王アリ(3mm)
働きアリ(2mm)
石下,倒木,切り株,落葉層,土中,枯竹茎中などに営巣する。[DB]
多雌
ウロコアリ女王と働きアリ
ウロコアリ女王と働きアリ
横にうっすらとシルエットになっているのがワーカー

©土生

ウロコアリ女王と働きアリ
ウロコアリ女王と働きアリ
中央が女王アリ 単眼が確認できます

©スラダケ

特記事項

羽アリは8月に羽化する。
トビムシ類を餌とする
コロニー成員数は少なく,ふつう数十から100。
土壌中では多いもののひとつ。[DB]

コメント

■女王の体長3mm
パッと見てワーカーとの区別が付きにくい(ワーカー2mm)
多雌
トビムシを主食とするが昆虫ゼリーでもある程度の飼育は可能

◆土生


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