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2.5.ナ行 

ニッチ 【niche】 
ニッチェ 【niche】
ニッチェ 【niche】 (=ニッチ)
「ニッチェ」とは、生態学の用語で、「生態的地位」と訳されている。
簡単にいえば、その種の生息場所の特徴といった感じ。
例えば、同じタマゴヤドリコバチでも松林などの林地を好む種と、畑地を好む種、水田を好む種などがいて、これら3種は「ニッチェ」が違うということになります。
(生物的防除に使う場合、それぞれの好む生息場所、すなわちニッチェを考慮することが重要になります)
難しい説明:
今は、生態学の元祖エルトンらが使っていた意味とは少し違い、ハッチンソンが言い出した「それぞれの種が生存するのに必要な複数の生態的環境条件をn次元空間に例えた場合、そのn次元空間で完全に一致する種は共存できない」という考え方において、その空間を「ニッチェ」と呼ぶ。
その後、マッカーサーらの群集構成理論でどのくらいニッチェが重なれば種が共存できないかといった議論が行われた。
生態学者はアバウトな人が多いので、この用語も人によって少しずつニュアンスが違う場合があり、そのニュアンスの違いが論争のもとになったりもする。
niche という語は、一般には経済分野で広く使われており、「隙間産業」などと言う場合の「隙間」にあたる。
既存の企業が気がつかないようなちょっとした商品でベンチャー企業が成功した場合などに「ニッチェが空いていたとこにうまくもぐり込んだネ」というように使う。
生態学でも経済学でも、ニッチェが完全に重なっていると競争で負けてしまうのだ。
*九大の高木さんの文章を引用しました。アリにも関連する用語として憶えておくといいです。 (土生)
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