アリ飼いのためのアリ知識ノート

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書名五十音順

3.3.児童書 

「アリのお花畑」 森の新聞
著 者 河野昭一 著
出版社 フレーベル館
発 行 1996.8
 
 
「アリの国探検記」 ケンリーおばさんの博物記
著 者 J・C・ケンリー 著/内山賢次 訳
出版社 旺文社文庫
発 行 1983.4.25
「アリの国探検記」1951筑摩書房、1961角川書店からも出版されている。原著"The Astonishing Ant"は1931に出版。
 
「ありのごちそう」 新日本動物植物えほん
著 者 高家博成 著/横内襄 絵
出版社 新日本出版社
発 行 1979.1
「ありのごちそう」食を中心としたクロヤマアリの生活スケッチ。ちょっと物語風の味付け。
写真はないが、写実的な鉛筆&水彩によるイラストで綴られた絵本。
アリマキ、モンシロチョウの死骸の運搬、フェロモンによるコミュニケーション、天敵ハンミョウの幼虫(食べられそうになるけど助かる)、雨(水たまりで窒息しそうになるけど助かる/息をする穴の図あり)、巣の中の構造、降雨時の巣の防水、栄養交換、といったトピックスが子供向けのやさしい、あたたかい文章で綴られている。
また、あとがきでもざっくりとクロヤマアリの年間スケジュールがまとめられている。
小学校低・中学年向
 
「アリの子ツク」 少年ブックス11
著 者 矢島稔 著/有藤寛一郎 絵
出版社 ポプラ社
発 行 1970.3.20
「アリの子ツク」
 
「アリの世界」 科学のアルバム 7
著 者 栗林慧 著
出版社 あかね書房
発 行 1971.1
「アリの世界」言わずと知れた虫写真の大家、栗林氏による写真絵本。
フルカラー40ページ、2色刷14ページ。
カラー刷のほうは、30ページがクロオオアリで、アリの生活のいろいろな場面を鮮明な写真で見せてくれる。
これ見てると、クロオオアリの体長、5センチくらいありそうな気がしてくる。
残りの10ページくらいで、その他の種を「山地にすむアリ」「平地にすむアリ」と分けて簡単に紹介。
(山地:クロキクシアリ、ムネアカオオアリ、エゾアカヤマアリ、トゲアリ、ツノアカヤマアリ、ミカドオオアリなど)
(平地:トビイロシワアリ、クロヤマアリ、オオズアリ、トビイロケアリ、アミメアリ、クロナガアリなど)
そしてなぜかクロナガアリだけ、秋の収穫と深い巣の断面写真を取り上げている。贔屓だわ。
2色刷のほうは文章メインでイラストも多用しながらいろんなトピックスについて解説している。
ハチ・シロアリとの関係、体の構造、社会、年間スケジュール、フェロモン、サムライアリの奴隷狩り、共生する生き物(アリマキ、クロシジミ、蜜腺を持つ植物、エライオソーム)、飼い方、など

幅広いトピックスが1500円の絵本の中にコンパクトに詰め込まれており、入門書としておすすめ。
 
「アリびっくり!?はてなずかん」
著 者 山口進 写真・文/すがわらけいこ 絵/大谷剛 監修
出版社 アリス館
発 行 2005.7.25
「アリびっくり!?はてなずかん」基本的に見開き1トピックスで写真とイラストを使って解説。
イラストはかわいいけど写実的ではなく、イメージを伝え全体をポップにするために使われている。好みが分かれるところだろう。
クロオオアリ・クロヤマアリの写真が多いが、他種の写真もある。
最初のクロオオアリのカースト(女王アリ・大型働きアリ・小型働きアリ・有翅雌・雄)の写真がものすごく不鮮明(ピンボケ&切り抜きが下手)なのがミソをつけてる。
でも、クロヤマの繭の中の蛹(側面カット)や、羽化したての成虫、クロオオアリから栄養交換されるクロシジミの幼虫など、良い写真もあるよ!
全体に、比較的高度な内容にまで触れようとする著者の意欲と、ポップにしようとするイラストレーターの意図、それに子供向け読み物にしたかった出版社のもくろみの3つがかみ合っていない印象。
実物を手に取らずに通販で注文してしまうと、アテがはずれた気持ちになるかも。
 
「クロクサアリのひみつ 行列するのはなぜ?」
著 者 山口進 著/久保田政雄 監修
出版社 アリス館
発 行 1998.10.25
「林のなかで、アリの行列をみつけました」と始まる子供向けの写真絵本。行列の全貌を調べ、障害物を置くとどうなるかを調べ、久保田政雄せんせいや山岡亮平せんせいのところへ話を聞きに行き・・・というお話。
行列に土をかけるとどうなるか、という連続写真が面白い。
40分くらいの間にみるみる土がどけられていく。すげー。
 
「はたらきありさん」 新・自然きらきら 2
著 者 七尾純 著/久保秀一 写真
出版社 偕成社
発 行 2002.3.15
「はたらきありさん」文を書いた人より写真家のキャプションが先になってることからも分かるように、写真メインの絵本。
春、満開の桜の根本の巣穴から顔を出したクロオオアリを主人公に、桜の花びらを巣に運び込む→花びらや軸が散らかっていると桜の木に怒る→葉桜の蜜腺を吸いに行って機嫌を直す、というストーリー。
巻末に「クロオオアリのひみつ」としてモチーフとなった事柄(えさ集め・狩り・フェロモン)についての簡単な説明が1ページにまとめられている。
わりあい「演出」の強いドキュメンタリー(「やらせ」とまでは言えない)。
 
「わたしの研究 アリに知恵はあるか?」 わたしのノンフィクション
著 者 石井象二郎 著/つだかつみ 絵
出版社 偕成社
発 行 1991.12
たいへん、面白い。
「わたしの研究」って言ってる「わたし」は、定年後の学者である。
本職じゃん!
しかし、クロマトグラフがどうとか、そういう特殊な方法は使わず、子どもでもできる方法で庭のサルスベリを襲うアリンコを観察するのである。
あのー、お宅の庭木、襲われてるんですけどー。
しかし、一度興味を持ってしまったら、石井象二郎くんの耳には入らないのであった。
この夢中っぷりが素晴らしい!
そして、観察・仮説・実験の繰り返しが、実にシンプルに語られていて、科学ブラボー!という気持ちになる。
ロックだけじゃなくて、科学も生き方なのねーと思った。
自由研究というのは、こういうふうにやらなければ。
5年とか10年とかかかるけどね。
しかもそれでも終わらないけどね。
だって、科学は生き方だから!

子ども向けの内容だが、この本のすごさがわかんない大人とは口をききたくありません。

3.4.マンガ 

「コロポックル−完全版」 KCデラックス1894
著 者 花輪和一 著
出版社 講談社
発 行 2004.7.23
 
 
「こんちゅう稼業」
著 者 秋山亜由子 著
出版社 青林工芸舎
発 行 2003.3
「こんちゅう稼業」「虫けら様」に比べ、人間、あるいは人間の形をしたものがより多く登場する。
そういう意味では、よりわかりやすいファンタジー。
帯に書いてあるのは「虫になって暮らしたい」「あんじょう いきますように・・・」。
どうしてもアリが登場する話に目がいってしまうが、本当の姿を秘術で封印されて仙人みたいなジジイの下働きをしていたチビスケが、心惹かれていた若侍の窮地を助けようとする話が好きだった。
あと、連れ去られた妻の魂を求める夫(人間)を助けるべく、アリの巣に潜入する虫童子(人間?)の話とか。

全体に、すごく楽しみながら描いているのが伝わってくる。
 
「虫けら様」
著 者 秋山亜由子 著
出版社 青林工芸舎
発 行 2002.5
「虫けら様」仕事明けの高揚感がおさまらないうちに本屋に行くと、散財するってわかってるのに。
でも、見つけちゃったんだもの。

だってああた、アリンコが長火鉢で一服つけてるんだもの。買うしか。
買った後でよく見たら、アリンコじゃなくてオトシブミが文机で文をしたためていたのであった。ありゃ。
でも、帯で行列作ってるのはアリンコ。
そのわきに「虫は魂を運ぶ、と私は信じている」と書いてある。

「虫けら様」と「こんちゅう稼業」は、いずれも短編集だが、ほとんどに擬人化した虫が登場する。
虫の淡々とした生と死、あるいは奇妙な生態への驚きと感動を、擬人化した絵とメルヘン仕立てで描くことで、不思議な世界をかたち作っている。
表題作「虫けら様」(連作)は、虫の目線で生態をかいつまんで説明しているだけといえば、それだけのお話だ。
最初は、社会的寄生(ほかの種類のアリの巣に入り込んで乗っ取る)をするアメイロケアリ、次のは好蟻性昆虫(要はこれもアリに寄生する)のアリヅカムシが登場して、自らの生態の一端を実に淡々と語る。
ただそれだけなのに、なぜかそこに普遍的な何かが横たわっているような気がする。
ちなみに、この本にでてくるアリンコ関連のお話はこの2つだけ。
中世の御伽草子などに材を採った「鼠の草紙」「土蜘蛛草紙」、いかにもガロ風のデビュー作「一人娘」なども、趣向は違うが、みな淡々として、それでいてどこかしらに愛が潜んでいるのを感じる。

巻末に、これも独自の世界を築いていて好きな漫画家、近藤ようことの対談が載っていて、虫と中世絵巻というどちらもあまり一般的とは言いがたい分野の話でものすごく話がはずんでいるのが面白かった。
虫と中世、何か通じるものがあるのかも。花輪和一も虫好きかしら。

巻末対談で作者は「かわいいものを描きたい」と言い、なぜ虫が好きかと問われて「小さいからです」と答えている。
んもー、どうしてこう、ドンピシャなまんがに出会っちゃうのかしら。

3.5.映像 

アリとアリの巣
種 別 VHS 25分
出版社 学習研究社
発 行 1994
「アリとアリの巣」「アリとアリの巣」
パッケージのテキスト抜粋(ほぼ総ルビだが、それは省略)
「撮りおろし 栗林慧」
「地下4mも深くのびるアリの巣穴」
「1ぴきでがんばる働き者の女王アリ」
「今までにないシャープな映像!!」
「生態映像分野で第一人者の栗林慧氏が撮りおろした最新映像。働きアリのかしこいエサの集め方や女王アリの産卵など驚く場面がいっぱいです。」
 
ディスカバリーチャンネル The Ultimate Guide 「アリ」
種 別 DVD
出版社 ハピネット・ピクチャーズ
発 行 2003.04.17
ディスカバリーチャンネル The Ultimate Guide 「アリ」ディスカバリーチャンネル The Ultimate Guide 「アリ」 裏面(clickで拡大)
右の画像をクリックすると拡大表示します

2.6.雑誌類 

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